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Work No.15

若木の美 他

小柳 力の木彫の世界(2023.08)
〔収録作品〕
①支え合い (小柳力彫刻展より)
②若木の美 (小柳力彫刻展より)
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〈白神山地のブナの木に宿るいのち〉
● 6月20日〜25日
● 銀座/Gallery美庵

 彫刻という言葉が、立体造形という言葉に置き換えられる時代となって久しいが、ギリシャ、ローマ彫刻の写実美を求めるものから、マッス的抽象美を追うもの、更にジャンクアートやハプニングで継ぎ合わせたり瞬間性のもの、アニメのグッズまでもがその範疇に入るようになった。
 嘗て、筆者が惚れ込んだ石彫作家Sがいた。彼は死ぬ迄ノミを持ち続け、粘土から型をおこしてブロンズに仕上げる事が彫刻の本筋のように教育されてきた現状に、また設計図だけ書いて後は業者任せで作り出される現代彫刻に真っ向から異議を唱え続けてきた。
 何もすべてのブロンズが悪いとは言っていないし、現代風なモニュメントが悪いと決めつけてはいないが、作品には作家の精神的な骨格がなければならないということだろう。日本という国は、日本という風土があって日本人という民族が生まれてきた。その生活環境の中で美的感性も培われてきたと。
 実は小柳力の彫刻観も石彫家Sと大きく重なる部分がある。小柳氏が彫刻の世界に入るきっかけは秋田大学学芸学部美術科入学後、教師の阿部米蔵師に、彫刻的な人物の描き方をしている、立体をやってみないかと声をかけられたことが始まりという。3年生の時、県展に出品した「トルソー」が特賞になり、その時の審査員の柳原義達氏も阿部師と同じ新制作会員で、その後、芸大に内地留学し菊池一雄教室で彫刻家の基礎と心構えを学び、現在まで新制作を発表の場としてきている。
 小柳作品に変化が窺えるようになってきたのは、奥入瀬渓谷の流れを見て感動し、それを今後の人生の糧としたからである。人生の糧とは「彫刻」制作の糧である。これが原点となった。地元秋田の白神山地の自然から学ぶ。自然からの声なき声から自身の空間を創造していく。一種のアミニズム、精霊を育む豊かな自然から受け取る恵みである。自然と共に生かされる私達の願いの総体が彫刻に命を吹き込むのだ。木彫は白神山地のブナ材を使用、西洋のモノマネでなく日本の国(自然)から生まれた彫刻を創りたい思いが更に膨らんでいく。現在、日本の四季を女性像で表現する構想に取りかかっている。その完成が待たれる。
 さて、小柳力彫刻展より2作品を挙げた。「支え合い」は人の存在の根幹。病気、戦争、災害あらゆる困難から人は生き抜いてきた。心ひとつが理想だが、アンバランスのバランスは大切。「若木の美」の生命感宿る曲線美も。 (松)

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支え合い (小柳力彫刻展より) — 小柳力
支え合い (小柳力彫刻展より)
若木の美 (小柳力彫刻展より) — 小柳力
若木の美 (小柳力彫刻展より)