| −創造の軌跡−
新世紀美術協会委員
鈴木源二 個展
● 9月4日〜8日
● 原田の森ギャラリー本館1F展示室
新世紀美術協会委員の鈴木源二氏が〈創造の軌跡〉と題した作品展を開催した。鈴木氏は1944年和歌山県に生まれ、1967年日本獣医畜産大学獣医学科卒業後、獣医師国家試験資格を取得して和歌山県に奉職する。一方、ほぼ同時進行で絵画に没頭し和歌山県展にも出品(後、特選、現在審査員)するという異才の作家でもある。1970年の新世紀展入選以降、同展池上賞・刑部賞・安田火災美術財団奨励賞など新世紀展で受賞を重ね同協会委員、大阪支部長、本部補佐として活躍した。
今展には作家自選の50数点の作品が並んだが、滅びをイメージしたシュールな世界観を醸す1991〜92年無言歌連作2題から、沈みゆく文明の崩壊を危惧する水面下からの視点、それを拡大させた機械文明の存在意義を問う強迫観念シリーズへと意識を深化させた。徹底的な写実描写の構成に制作意図を封じ込めるという象徴性ある創造力が各作品に宿る。機械文明の発展に付随した多くの自然破壊や紛争・戦争。また、人知の及ばない地震・台風などの被害の未熟な対処、それらは我々人間の愚かさ故に招いた必然的な結果だろう。
鈴木氏はこれらの思いを経て、「祈り」という境地に至った。日本に息づく信仰、救世の世界を真摯な心で描き続けている。仏像が纏う荘厳な世界、人々は何故、傷つけ殺し合うのか、静かに世の中の安寧を祈ろう。という氏の熱いメッセージが感じられる。(松)
|

無言歌(牛骨−枕木)ユ92〈F120〉

強迫観念シリーズ

いのりシリーズ
|