加野 元 個展
■10月5日〜10日
■兵庫県立美術館王子分館 原田の森ギャラリー
二元会初入選の2003年から、7年の短期間で内閣総理大臣賞(2009年)を受賞、今年委員推挙された加野元の初個展が第16回二元会兵庫支部展と同期開催された。
加野氏が初めて100号の大作に取り組んだのは、確か2006年の兵庫支部展の「秋風を感じて」、「秋風にゆらめいて」で、水面描写の巧みさ、バルールの確かさに驚いた記憶がある。すでにその頃から観者をひきつけるものを持っていたが、池畔から渓流風景にモティーフ転じて一層絵画力を増したといえる。その代表作となるのが本展で会員努力賞を受賞した「わすれていた風景・瀬音」であろう。まだ明けやらぬ薄暗いシルエットの遠景の中、朝の光にきらきらと光る渓流の流れ、さざめく瀬音が聞こえてきそうな作品であった。そして、翌年の「闘竜灘―刻の軌跡」で一機に内閣総理大臣賞を受賞、鏡面の水面から渦巻く急流まで静と動を対比させた大きなスケールの作品へと飛翔した。今後が大いに楽しみだ。 (松)
