第67回示現会展

 

樋口  洋

「古都の宵」

 

 古都の宵は更けゆき、上弦の月が五重塔の肩口にのぼっている。月の明かりが寺院の瓦屋根を照らし、街の灯りが眼下に明滅する。遠くなだらかな山並の影も浮かび、古都は豊かな詩情をたたえて暮れてゆく。(中)