2年間のロングラン個展開幕
浅野輝一の軌跡展


●2020年11月1日(日)〜2022年10月25日(火)  AM9:00〜PM6:00〈 会期中無休〉
● NPO法人 置戸ぽっぽ絵画舘

〒099-1100 北海道常呂郡置戸町字置戸456-1
● 問い合わせ先 TEL0157-52-3742(細川)


3月5日(月)〜11日(日)
11:00〜18:30(最終日16:00)

 

 浅野輝一氏の、北の大地で2年間にわたる個展がはじまった。会場は寄贈作品のみで運営するユニークな絵画館で、浅野さんから受けた寄贈作品40点のなかから、30点ほど(120号から小品まで)が展示されている。
 浅野輝一氏は昨年、画業50年を記念して作品集を刊行した。1970年代から現在までの作品をまとめ、あらためて自身の足跡を辿り、一つの大きな区切りとし、更にこれからの制作と指針とするべく、氏の旺盛な制作意欲はより強く深められ、この8月には第80回めの個展を開いた。作品集にも個展にも謳われた〈現代の風景から…〉は終止一貫してきたテーマであり、その制作の原点は「生きるとは…」「人間愛とは…」にあると、個展案内状にみずから記している通りである。したがって描かれるのは、「わたし」をとりまく日常の景であり、それを高処あるいは傍目からでなく、自分の目に、肌に、心に響く波動としてとらえるから、当然のことながらわたしのまわりにいる、日々を共に生きている人々の心情と共有するのである。今回の個展にも、日々の当たり前になってしまった“マスク”が登場した。マスクそのものの集積を群像、すなわち人間群像として、白と黒の2点としたところに、いまという現実に感応する不安や惧れ、うっ屈などの振幅と奥行きの深い情(あるいは状)況とした。
 あらためて作品集を通覧してみれば、やや重く暗く、くぐもった閉塞的表情を抱えこんでいるが、制作を追うごとに全体に明るく能動的、かつ空間的広がりへと展開しながら、氏の近年の主調音とされるユーモアとペーソスが共棲されてきた。半世紀に及ぶ大量の作品で変らぬモティフは人間でありその群像であり、その人々の登場する舞台は通勤列車の中であったり、会議する姿であったり、あるいは疲走する場面であったりと変遷しながら、近年は空の雲(らしきもの)を浮かべて、人々の存在空感を限定的に絞らず、状況設定も取り払い、それと併行するように人物の目鼻立ちも失われ、後ろ姿のシルエットに変容してきている。いわば個有性から匿名化することで、総体としての社会性を獲得してきた。それはいまの情況を普遍的に誘う、鋭敏化する視座ゆえなのだ。     (中)


○ 画歴=1943年奈良県五條市生まれ。'66年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業.'70年〜美術文化協会展、'91年現代美術選抜展(文化庁/'98、2003年)、'95・'96年日・韓・台 作家グループ展(ソウル)、2018年浅野輝一自選展・個展同時開催(銀座、向日葵・あづま)、他企画・グループ展多数/個展80余回。現在、美術文化協会代表。
○ 置戸ぽっぽ絵画館=2012年、旧置戸駅舎内に開設、現在、180名の寄贈による総作品850点所蔵。
○ 所在地=北海道常呂郡置戸町字置戸456-1、TEL 0157-52-3742。▽アクセス=(バス)女満別空港〜北見( 45 分)、北見〜置戸(55分)、「置戸」停留所下車(0分)
*なお、プレオープンイベントとして、浅野麻耶(トルコ在住)のピアノ・コンサートがある。

 

いつか夢見て (2019)〈730×600〉

私の叫び (2019)〈F50〉

街中の情景  (2020)〈F50〉

 

 

 

予期せぬ訪問者 I (2020)〈F100〉

予期せぬ訪問者 II (2020)〈F100〉

. 心の風景−レクイエム(2019)〈F120〉

騒がしい日々 (2019)〈F120〉

ある日の風景  (2019)〈600×910〉

夢見る人…… (2020)〈F30〉

駆け出す時 (2020)〈F30〉