第62回 浅野輝一 展


−現代の風景から−


■8月27日〜9月1日   ■銀座・シロタ画廊

 

 〈現代の風景から〉と銘打って62回目の個展。旺盛な制作、発表活動を展開している。これまでも「私をとりまく…」とか「今日の…」「現代の…」との題名からもわかるように、常に自分をとりまく今、をテーマに描いてきた。
 「明日への出発」(150号)は今春リニューアル都美術館での『公募団体ベストセレクション美術』に出品された作品で、昨年の3・11に触発されての制作であった。同サイズの新作「ある出来事から」(掲出作)も同じ発想である。画面上段には、ひたすら走り逃れる少年・少女の足が、ときに乱れ錯綜する。下段にはそれを不安げに見守り、互いに励ましあう大人たちの群像、そしてその中間の津波の描写がきわめて象徴的に、恐怖・不安・とまどいをあらわしている。また「ある日のニュース」では天から地へ得体の知れない不気味を塊が垂れている。一方、「希望に向かって」では負けるなとエールを送る。
 画家に何が出来るのか、逡巡する間もなくキャンバスに向かう。〈今に生きる〉を強く語る充実の展。 (中野)

 

 

 

   

ある出来事から