〈日府展常務理事〉

塚田 稔 第9回個展


■6月21日〜26日
■ 銀座・竹川画廊

 

 塚田の関心は原初的エネルギーというか地球創成時の混沌・カオス的情況にあるらしい。出品作の「EGO創成」(50F)や「モニュメントバレー」(30F)などの油彩作品はそんな思いにさせる。積層する岩盤にうがたれた古代人の太陽神や、マグマの煮えたぎる中、いくたびの生の誕生と死の滅びが繰り返されたことか、原始的風景や遺跡を訪れるたび、画家の胸中を去来するのだ。そして今そこに立ち会っている自分の存在の奇蹟。
 そうした感懐が激しい彩色となり厳しい筆致を生み、構成はより力強くシンプルとなる。目の前に見えているモノやコトを凝視し、凝視を深めて脳内風景化しているような思いにとらわれる。
 一方で画家の眼は人類遺産の生活の場にも自然の営為にも心は誘われ、目を向ける。赤々としたフィレンツェの聖堂や丘陵に櫛比するウムブリアの家並、あるいは残雪の山並を背に花咲く桃など、画家の思いをぶつけるような力強い色と筆致で一気に描き上げる。理性で最小限の抑制を施したその情動の燃焼こそが魅力だ。
現在、日府展洋画部常務理事。(中野)

 

EGO 創成 50F

 

 

Umbria 風景(Roccanolfi) 6F

 

フィレンツェのカセドラル 8F

 

桃の花咲く安曇野 6F