日本藝術院会員 池口 史子
展
● 2013年11月20日〜26日
● 日本橋三越本店 本館6F
立軌会で実に不思議な色彩感覚の作品に注目しだしたのは、いつの頃からだろう。まるで白昼夢のように現実感がなく、遠い世界の景観が現れる。それでいて妙に懐しい香りがある。それが池口史子作品の初期の印象だが、今も変わらない。
おそらく、日本の女流画家でこうしたニュアンスを発する作品を描く人はいない。それが、終戦の2年前、満州・大連に生まれ幼児期の深層意識に宿った色感なのか定かではないが、東京藝大で、山口薫教室に学んだことも池口さんの作風を形成していく上で随分影響を受けているのかもしれない。同大学院修了後、30歳で安井賞に入選して一躍絵画界にデビューするが、その画才を認められて立軌展に誘われるまで静かな10年の研鑽があったようだ。
その後、92年に安井賞賞候補、93年の倫雅美術奨励賞受賞後に一気に花開いた感がある。2012年・女流初の藝術院賞・恩賜賞、同年藝術院会員に昇りつめた。構図が理知的で斬新な屋根裏部屋を挙げた。(松)
