布施木多恵子 個展
●10月7日〜12日
●銀座ギャルリー志門
ほぼ真四角の落ちついた白壁に、大きな作品群が調和して心地良い展示空間となった。白、クリーム、黄色の静かな地色に、紺や青色などの作品がほど良いアクセントとなってメリハリと穏やかな緊張感を演出した。
布施木の作品は、日頃馴れ親しんでいる瓶やコップ類を太・細のある線で縁どり、かつその描線で一筆書きのように連結・連続させ、紙やビニールの色片をあちこちにコラージュする、この数年のシリーズである。清潔といえば清潔であり、淡白といえばそうでもある。しかし、しなやかな曲線の強弱やコラージュが共和して、押し付けがましいことのないリズムを生み、画面にゆったりとした刻が流れ出す。それは彼女自身の日常空間であり、日々のリズムなのだ。会場に身を置いた人はアートに対峙する構えから解放され、作品と同化してそのたゆたいに身を委ねることになる。
中に一点、これらのリズムを断ち切るように鮮烈な斜横断面で破調する作品は、今後の展開を暗示していた。サロンブラン美術協会常任委員。(中)
