砂川順一
やさしい光の水彩画展IV


● 10月17日〜21日
● 加古川市・松風ギャラリー展示室

 水彩連盟会員・砂川順一氏の第6回個展。
 ここしばらくは、介護を続けている母をモデルに今しか残せないモティーフを追求してきた。柔らかい色彩で空間も淡い作調が続いたが、今回はじっくりと色彩をのせる風景を描こうとしたようだ。これまで朝から昼間の風景が主体であったのだが、日没前の微妙な色彩の深みの再現に挑戦してきている。まるでバルビゾン派、ミレーの雰囲気を纏うような積藁残る田圃の夕景も2点あったが、冷気に暮れる瞬間の光が屋根に射す「ここで生きる」、山裾の家々の斜光と収穫済んだ田畑を一面赤く染める「夕陽の中で」も印象に残った。
 特に目をひかれた2点を挙げたが、「帰り道」はこれまでに無い大らかで大胆なタッチで深い哀愁を醸し、「時間を忘れて」は夕焼けが包む風景の心地良さを余す所なく捉えており、画家としてのステージを一挙に高みに押し上げた。
 特に家、樹々、川、空の広がり、それらの存在感が作品の中にしっかりと定着している。今後の更なる展開が楽しみだ。(松
)

 

 

帰り道

時間を忘れて