画集刊行記念
― 雲は流れて水は行く―


第37回 
万代 進 個展


● 11月3日〜8日

● シロタ画廊展

 

 長大なキャンバスいっぱいに、むくむくと、あるいは勢いよく噴煙が湧き覆い尽くす。赤い炎がのぞく。
 1962年高校3年生のとき十勝岳が大噴火した、その様子を自宅の窓から震えながら見続けた。脳裏に、体に刻みこまれた自然のエネルギー、脅威が、そして数十年眠っていた記憶ゆえに、単に写実を越えて、精神性の深みを屹立させる作品へと昇華してきた。万代が生まれ故郷北海道を強く意識したのは、30代半ば、スペインを一人旅している時だったという。しかし「北の大地」シリーズが始まったのは、30年近く経て、春陽会を退いてからだった。それだけ郷里の大地は広く深く、手強かった。カムイや「層雲」シリーズを経て、ようやく「1962」が登場する。今展の「青雲たつ」はこのシリーズの転機になる予感がするのだが…。
※1944年北海道旭川市に生まれる。多摩美術大学絵画科油画専攻卒。74年(30歳)の初個展(新宿・椿近代画廊)から今回が37回目。現在・東京展会員。(中野)

 

北の大地・青雲たつ   72.7×116.7cm 2014 年

北の大地・1962 年の記憶・その日
193.9×422.0cm 2012―2013年