第38回 万代 進 個展
― 咆哮する私の大地―


●10月31 日〜11月5日
● シロタ画廊展

 ある一瞬の劇的な場面の記憶は深層意識のなかにしまい込まれると聞く。万代進は、1962年6月29日22時40分ころから始まった十勝岳の水蒸気爆発から翌2時45分のブルカノ式噴火を自宅の部屋の窓から見続けていたという。高校三年生の時である。この時の噴煙(火山弾・岩塊・礫・灰)はものすごい轟音と共に1200mにも達したというから半端でない。正に大地が裂け咆哮する、自然のすさまじい脅威を目の当たりにしたのだ。
 万代はその後、多摩美大卒し画家の道を歩むことになる。春陽会に所属して、個展を繰り返していたが、写実系の作品が主で、この北の大地シリーズが始まるのは春陽会退会後で、カムイ、層雲の連作を経た後からである。目をつぶればその深層意識が目を覚ます。その繰り返しの中で絵画的構想が具現し出すのである。2009年優秀賞受賞、年毎に圧倒的な迫力で迫る東京展での超大作、が、そのシーンから遥か上空、更に宇宙へと視点が広がりつつある。予兆の小品も又いい。(松)

 

 

私の大地・galaxy  〈2016 東京展出品〉  F130×3