「羽化」シリーズで活躍する五味は「帽子の女」「壷」や猫などの小品をまじえ、個展ならではの多彩な発表となった。
掲出の『ニューオリンズの仮面』(F50)はインパクトがあり、会場の中核として凛然としていた。
黒い帽子に黒衣の女性が紫色のリボンを激しく舞わせ、その動きと同調加速して黄色からオレンジ色が渦巻き画面全体に、タイトルのジャズの発祥地ニューオリンズの情熱とリズムを明るく煽り立てる。カーニバルであろうか、白い仮面が画面を収劔して興趣は尽きない。二科会評議員。
益子は『語らい』(F100)、『歓び』(F50)に本領を如何なく披瀝した。
二科展で長く朱赤(ときに青などもあるが)の空間にデフォルメした独自の人物を配し、日常性をアウフヘーベンした象徴として注視されているが、掲出の新作は朱赤でなく黄色にブルーを配した空間に新境地へ踏みこんだ。何よりも2人対1人の間合い、空間と人物構成の巧みさに作家独自の感性の鋭さが感じられ、惹きつけられる。小品の鏝焼き絵は粋。
二科会会員。
共に金沢美工大同期生。(中)