50回記念70年会より〈ピックアップ〉
「夏・夢そして沈黙」

宣 和


● 10月21日〜27日
● 銀座アートホール

 

 1970年に発足した70年会。50年の時を経て、現在9名の作家が発表の場を共有する。各作家それぞれの画風を貫き、迎合したところがないため、壁面には奔放な世界が広がっている。ただそれは単純な自由を示しているのでは決してない。各作家の揺るぎない主張を根幹に、あくまでも自己完結を求めた画面だから、構成にしろマチエルの構築にしろ、理詰めの描法を見ることができるのである。そんな中から次の1点を掲出する。宣和作「夏・夢そして沈黙」。本名坂元宣和、今展から「宣和」に改名した無所属作家。独りでひたすら自分の画風を究めようとする孤高の作家だ。画面にひた走る緊張感がその事実を物語っているではないか。中央に垂らした鋭い直線はワニのような動物の頭を射貫く。口を開けたそれは嘶きの表情。あたかも作家自身の心を射貫いているようにも見える。一方、上空の闇夜からは一条の光が降り注いでいる。そこには作家自身の夢が介在しているように思えてならない。(篠原)