第75回記念一線展

 

橋本 光

「風跡― 端午叶夢(Dream)」

 秋の75回記念展をひかえ、前年の授賞者と今後の制作と会活動に大いに活躍を期待したメンバーによる、会主催としては実に久々の“選抜展”が銀座の画廊で開かれ、盛況であった。その勢いをかっての記念展である。
 長い間、共に労を重ねてきた審査員と受賞作について寸感を述べたい。審査員長(理事長)の橋本光は、金箔をふんだんに記念展を寿ぎ、さらなる発展を願った。
 高木八重子は持ち味のブルーの多様性に、珍しく人物を配し、江口ミホは一人七体のしなやかな女体に刻の経過を表象。大橋世紀雄の広やかな田園、根岸富夫は雪国、新井修は池を覆う一面の睡蓮に思いを深めた。
 高橋留三郎は大胆に広い空間を、笠原久央は白菜の曲線に更なる艶を加え、長谷川肇は自虐に苦笑を添え、小林博には哀愁さえ感じる。
 藤森千重子はレクイエムに心を安め、糸井優は視野を広げ世界平和を願った。錯綜する視点と描写力。
 受賞作から。文部科学大臣賞の森久杏子の華麗と格調、記念賞は下澤邦夫の更なる疾駆。 (中野)