大庭修二 漆画展
―精緻精巧の世界―


● 3月19日〜4月3日
● 銀座・ギャラリー・ピエニュ

 

 現創会会長大庭修二氏の銀座では初となる個展が開催された。普段なかなか見ることのない漆画の展観。大庭氏といえば現創展で見る人物画のイメージが強いが、実は同展小品部門には毎回漆画を出品してきた。その精巧な画風にはいつも感心させられていたが、今回は漆画のみが一堂になり、改めて大庭氏の本業をじっくり見ることになった。
 漆画の画材は色漆と透明漆に顔彩を混ぜたもの。そもそも漆自体の採取はベトナムで行うらしい。ベトナムは漆画の伝統国で長い歴史を有する。大庭氏はそこに工房も持つ。出品約25点に共通する精緻精巧の画面。油絵の3倍の時間を掛けるとも言うそれは漆の透明感に満たされている。上掲の夕暮れシーンを見ていると、茜色に染まる直前の大気の模様に吸い込まれそうだ。墓廟大理石の陰陽も漆ならではの細密な光りを帯びている。画廊の白い壁もよく似合った好展観だ。
 静岡県油彩美術家協会理事/三島パサディナ美術館館長(篠原)

 

 

 

インドの夕暮れ(タージマハル)〈M25〉