菅原敏夫 展

■1月22日〜29日  ■埼玉県越谷市 ギャラリー恵風

「 運河のある風景(横浜) 」 F15

 写実画壇会員の菅原敏夫氏の地元埼玉での個展である。一時体調を崩され制作活動の停滞を余儀なくされていたと聞くが、ようやく全開で本来のペースに戻れたようである。
 作品は、中国の周荘、蘇州の水彩スケッチを初めとして、写実画壇出品の大作、「残溜(横浜新港埠頭)」のエスキース、背景の窓にベートーベンのデスマスクを微かに配した「ニンニクと冬瓜のある静物」、小品の「アンティックドール」など多彩な作品が並んだ。掲載の「運河のある風景」は鉄橋と対岸の水面への映り込みと真摯に対峙している作品で作家の熱い思いを感じることが出来る。緩やかに川面を渡る風、反映の微妙に異なる彩度と明度、空と川底の関連もある。もう1点の蘇州の運河のスケッチもラフに捌くというのではなく、じっくり腰を据えて描き臨場感を引きだしている。
 余談だが、「ニンニクと冬瓜のある静物」の会場写真をパソコン処理中、いきなり現れたデスマスク、会場で見ていたはずだが、心霊写真と勘違いする程驚いたことを付記したい。(松)