日本藝術院会員
塗師 祥一郎 展

● 11 月6 日〜12 日
● 日本橋三越本店本館6 階美術特選画廊

 

 雪景を描く作家として知られる日本藝術院会員、日洋会理事長の塗師祥一郎氏の三越本店での個展。
 昨年の日展出品作品「長坂雪景(100F)」、日洋展出品作品「雨後(120F)を中心に、同じく昨年の日洋会選抜展「冬の海辺(50F)」の現地描きのエスキースとなった「春近い越後(8F)」をはじめとした雪景に、富士を描いた作品など約30点が並んだが、驚きは、松原湖に取材したと言う緑陰豊かな水面の情景を切り取った作品であった。「雨後」も、春の渓流の流れ越しに桜咲く古民家、雨霧残る山景を描いた雪のない作品だが、明らかに描く視点が異なっていた。雪景の画家の呼称返上にはならぬと思うが、広い視野にたった絵画世界を求めようとする意思を感じる作品といっても過言であるまい。
 それにしても、塗師祥一郎の描く雪はなぜか温かい。「長坂雪景」は富山県の氷見港近くの丘陵地、長い坂の曲線が視線を誘導する。絵の中には、まったく人がいないのだが、家の中に生活する人のぬくもりを感じられるからだ。(松)

 

「雨後」 120F 第26回日洋展出品作(2012年)

 

 

「待春の里」 10F

 

「長坂雪景」100F 第44回日展出品作(2012年)