今獅々 貴美子 展

 1959〜60年に現代美術研究所で川口軌外、山口薫に学び、1964年東京芸術大学「小磯良平教室」を卒業。1958年の初個展から24回目となったが、具象と抽象の世界を行きつ戻りつしながらマチエールも洗練され、心象表現を深めており、郷愁的な思いに観者を引込む。それは、そのいずれの作品にも一貫した作者の自然への憧憬と原風景への回帰の思いが込められているからだろう。 目録に一片の詩が付してある。「―夕映えの溜池―今日という時 明日という時 立ち止まり対話するひと時 陽は 溜池の中に からだの中に とけ込んでくる」。
 今個展で特に注目したのは、方形と円、水平線の組み合わせの中に、エッセンス化された「田・畦道・溜池」を組み入れた作品で、作者の思考が純粋化され矩形の中に封じ込められているように思える。スクラッチ技法が冴えた「雨乞い踊り」も幻想的だ。      (松)

  ■11月6日〜11日 ■兜屋画廊
   


   
   「 田作り(レンゲ)」