今獅々 貴美子 展

― 刻 ―



●6月4日〜9日 ● 銀座・兜屋画廊
廊

 

 風景を心象世界にまで昇華して、シンプルな形状と色彩による詩の世界へ誘うような風合いある作品を発表し続けている今獅々貴美子さんの隔年個展。
 今年、『詩画集 原風景』を出版し、言葉(詩)と自然を繋ぐ作者の原風景(画)の世界が紹介されたが、その発刊にあわせた個展開催となった。120号「流れ」、100号「雨後」の大作を中心に11点の作品とエスキース5点が並んだが、作品「里山の春」に至る、写生、略化の制作過程を示した3点の並列展示に足が止まった。
 1の写生は、田園越しの川向こうに満開の桜が描かれ、2の展開で川は小川となり、新たな畦道が明瞭に。そして3では時間や空間を越えて風景が円環に収斂される。独自の世界だ。(松)

 

 

里山の春  SM

 

あぜ道  F20

 

里山の春F20