阿部 栄一 展

●10月26日〜月1日
● 銀座・青木画廊3F ルフト

 

 こじんまりした画廊での個展だが、心地よい香りが漂う展示空間を持っていた阿部栄一展。「細密描写することで現実を超越した絶対的な存在を知らしめようとた北方ルネサンスの画家達の作品、また強靱な意志で新たな絵画世界を確立したピサネロやマンテーニャの作品に触発された私の内的イメージを、一つのイリュージョンとして絵画にした」とは作家のメッセージである。本展のメインとなった「Homage to “R”」を紹介したが、この作品はピサネロの「エステ家の公女」(1434―1449、43×30�B、木にテンペラ、ルーブル美術館蔵)の首から上(顏、頭、髪形)を模写したもので、肩から腕、手と大きくディフォルメ、背景も幻想的な夜の花から一変させていっそうの素朴感、時代感をひきだした。また、作品のレースの服の細部へのこだわりも正に北方ルネサンスへのオマージュである。他、孔雀が描かれた空間の錯綜する作品「FIORE」も注目した1点。また、烏のデッサン、鳥の頭蓋の「スフィンクスの謎」も。(松)

 

 

Homage to “R”  S4