第83回春陽展

奨励賞

横山 孝子

「記憶の層 V」

 静かなたゆたいがある。

それは秘儀のごとくおごそかで、ゆっくりゆったり広がりを予兆させながら。

森の奥深く、あるいは海底深く。

子宮の海のあの匂いを、羊水の記憶を切ない心地で蘇らせる。