第32回新日美展

 

東京都知事賞

鈴木 忠義

「東海赤富士」100号

 

 朝焼けの赤富士が、白雲をたなびかせる空にくっきりとゆったりと、しかも雄然とそびえている。裾野も夜の眠りから覚めて木々の彩りが鮮やかだ。その彩りを大きな筆の動きで大胆にとらえて、富士の勇姿を際立たせている。手前の湖面は空の明けを映して静かだ。全体に遅滞ないおおらかなリズム感のなかに自然の息吹きと富士の雄姿がとらえられており、ふつうに抱く富士山のイメージが格調高く象徴されて高い評価を得た。(中野)