人はどこから来て、どこへ行くのか?

 蔡 國 華 展

 1964年生まれだから今年44歳となるが、上海の美術学校を卒業後来日、

武蔵野美術大学・大学院に学びめきめきと頭角を現してきた蔡國華。

一昨年20世紀美術館での大個展を成功させ、一躍画壇の注目を浴びる作家となった。
 今展には120号から4号まで、30数点の新作が並んだが、夫々の作品には

、蔡氏が辿ってきた重層な画面ではなく、一転して軽妙な人間劇に、慈愛を孕

む柔和な母子、女性像に転じた。その中、特に目を引いたのは、背景の黒にメ

ッセージを込めた120号変形の連作「喝采」と「希望」。喝采の主役は、実は

彼が両手にかき抱いている豚と犬である。すべてゴッホの模倣で画家を指向す

る男、安易な画業の有り様を胸のゴッホの自画像が鋭く見つめ、蔡氏の愛情で

コーティングされたウイットが溢れる作品だ。         (松)

   ■3月5日〜11日 ■日本橋 高島屋6階美術画廊

   ■ 喝采 91.0×182.0cm ■希望 91.0×182.0cm