― 郷愁を誘う歴世の街 ―

第11回   橋 弘 樹  展

■ 5月15日〜20日
■ギャラリーロイヤルサロンギンザ

 一線美術会理事の高橋弘樹氏の第11回目の個展。今回は25年前を前後した頃からの代表作に、この個展出品の近作を加えた記念の作品集を発刊、氏の画業の変遷が窺えるものとなった。
 というのも、25年前を境に氏のモティーフは海外の風景へと一変しているからである。「日本の高度成長と共に漁村も近代化され、その漁村風景に魅力を失っていた頃、歴史がそのまま残っているヨーロッパの風景に出会った」と述懐しているが、強烈なカルチャーショックであったに相違ない。その後レンタカーを借りて、40日間の南ヨーロッパを巡る取材旅行を実施、以降毎年のように取材行をおこなう中1998年「歴世の城壁にある街」で最高賞(文部大臣奨励賞)を受賞している。
 今展の27点より2点を取り上げたが、氏の構図には逆三角形の組み合わせが見てとれる。この安定と動感の微妙な調和が心象的ロマンと重なり魅力を生みだしている。      (松)

     「草原の大地にある街」  F12(油彩)