第33回美元展より

加藤 英正

「第33回美元展(2006)   母と子 」

 現創展のメンバー有志で開催されている美元展の第33回展が5月1日より6日まで銀座地球堂ギャラリーで開催されたが、その中、現創美術協会運営委員、加藤英正氏の「母と子」をピックアップさせて頂いた。
 レッスンの合間、子供が遊ぶさまを優しく見守る母、得意げな子供の表情。ふたりの間には空気さえも柔らかで母子の情感に満ち溢れている。そんな情感を演出しているのが正確なデッサン力である。母ののぞき込む姿勢を支える両手の筋肉の張り具合、突っ張った子供の右足の表現力もいい。個々には不等辺三角形構図を取りながらムーブマンを微妙に持たせ、母子で一つの三角形構図を完結させる構成力は特筆だ。
 まだ母親が独身の頃からモデルとして描いてきたという画家の思い入れを感じる秀作である。          (松)