第34回美元展より
加 藤 英 正
■ 4月30日〜5月5日 ■ 地球堂ギャラリー
現創展のメンバーを中心としたグループ展として今年で既に34回を数える。
本展は、本来肖像画の展覧会として始まったが、写真技術の進歩で肖像画自体が一種特殊な分野となり、全国的にも肖像画家が激減している現状で、厳密な肖像画のみでなく人物画一般を取り扱う団体になった。
加藤英正氏は本紙でも何度か紹介しているが、原子力関連の工学博士である。人物を描くようになってから、解剖学を学び人体の骨組み、筋肉の動きを研究したという。それはバレリーナの作品に見事に結実し、自然体の肢体を豊かに表現せしめた。ただ、背景空間の気を如何に作品に活かすかということが気になっていたが、今作では戸外での群像構成に挑戦し、実背景を初めて人物に取り入れた。まだ平易な写真背景で堅さがあるも、空間性へのアプローチが始まった感ある。また母のポーズにもうひと工夫欲しいが、三人の子供のくったくのない表情がいい。
(松)
