音・ひびく

松下元夫展

 

松下 元夫

■10月10日〜11月15日
■尼信博物館 1階展示室

 尼信博物館企画による二紀会委員、松下元夫展。初期作品「跡」・「かたち」から震災後の「音(ね)ひびく」シリーズまで画歴50年にわたる作品群より自選の20余点が並んだ。
 「土の香りに惹かれ、母なる大地の色とかたち(地層)を基に」と自ら語るとおり、初期は大地そのもののマチエルを生かした作品で、それが心象的に抽象化され時間軸をも取り込んだ指向性ある作品となってきている。「黎明」(1986年)は、生きている地球の叫びが聞こえてきそうな作品と言えよう。そこにある色彩は赤でも白でもなく、それを孕みながら青や黄色の領域をも包括するピンクだ。大地の叫びは色彩を介して音となりそして、空間に反響して饗に変化する。荘厳な夜明けを大地と宙の相関の響きとして捉えた。
 「音ひびく2」(1995年)、「音(ね)��」(1996年)は地層のひずみに起因する地震と震災後の復興の音と私は捉えている。自然と人との調和・不調和の和音である。     (松)

 

黎 明  
 50F/1986年

音(ね)��  150変/1996年 ・音ひびく 2 150F/1995年