第9回行動美術TOKYO展より
多田 洋子
「ORIGIN」
第9回展の特別展示(会企画個展)より、2008年の文部省派遣の短期留学(ポーランド)以降、作画深度を深めている多田洋子の作品を挙げる。
「光と影の重層」をテーマとして都美術館のワンブースに新作の大作「陰翳礼贊」(会場風景の作品184×480×2)をはじめ、昨年ポーランドの公立美術館個展で出品された「E
m o t i o n 」「Origin(三曲衝立)」「封印された星達(六曲屏風)」を含めた8点の大作が並んだ。留学前から墨を素材として使用する試みがなされ、いよいよ都市の中の光と影を追う方向性が見えつつある。嘗ての執拗なまでのコラージュと喧噪の世界から、一歩ひいた作者の視点が定まりつつある予感がする。自然体で都市と住まう人のリレイションをいかに描くか、ここからが本当の正念場であろう。
墨を使った静の中の動と、整理されてきた色彩とコラージュの世界が鬩ぎあいながら深い世界の再構築に繋がっていくよう期待したい。(松)
