平松 譲展

 ■ 4月20日〜26日   
■日本橋三越本店6階美術特選画廊

 温厚・実直をそのまま体現して今日までこられた洋画家平松譲氏の作品展。今春卒寿を迎えられたから大々的に「卒寿展」となるところだが、そうしない所が平松翁の奥ゆかしさである。
 昭和38年の滞欧作品から最近作まで約40点が並んだが、懐かしい作品に再会した。「坂道(大王崎附近)」である。17年程前に初めて感想評を本紙に書かせていただいた作品で、「塗り重ねられた油絵具の色粒が本来の光彩を放っている、キャンヴァス地にしっかりと塗りこめられている」と。
 49歳のパリ作品は、明快で力強いが、タッチの基調は今も健在で、故郷三宅島の近作「芽吹く(噴火後)」には厚く積もった火山灰の中から生命が再生している喜びと郷愁が漂う。そして在住する目黒区の景「めぐろの坂」、なぜか哀愁を感じる。作品に込める思いの丈が幾重にも深いからであろう。(松)

 

 

 

 

 

 

 

    

めぐろの坂   100変