70歳を機にモダンアートを退会し_残りの人生を個として活動すると決断、上野松坂屋での定例個展に銀座個展など積極的な制作・発表を実施してきた加藤三男氏。モダンアートからの縁で、筆者が企画した兵庫県立美術館王子分館原田の森ギャラリー本館1Fで本格的な回顧展を開催したのが2014年。翌年郷里宮崎県文化賞を受賞。
その2年後、ボールペンのドローイング作品を同館で発表、新たな制作指針を掴んだ。そして、新たな油絵のコンセプトとドローイングの進化をひっさげての3回目の個展。過去の思い深い作品約10点に、5年かけてやっと納得するに至った自画像と爬虫類(カメレオン)と釣り具のルアーの組み合せが斬新だ。そして多くの展覧者が足を止め見入ったのが、約200枚が組になったドローイング。蝉の抜殻らしき形態が魚、蛙、馬などに変化する。すべて手描きで、スピーディーで均一な線。とても91歳の仕事と信じられない程。色鉛筆彩色がまたセンス抜群。(松)
