リニューアル・オープン記念特別展

島田鮎子―たおやかな色と形―

 

島田 鮎子

■4月25日〜6月28日  ■メナード美術館

 約1年間の改修工事を終えたメナード美術館(愛知県小牧市)のリニューアルオープンのこけら落しに、島田鮎子展(1934年東京生、国画会会員)が開催されている。島田鮎子さんといえば、芸術院会員の島田章三氏とのおしどり夫婦として知られるが、常に控えめでありながら、章三氏の風に染まらず、作品は自分の世界を創りあげてこられている。最近作はプリミティブに形象化された形と暖かな色彩が、たゆたふような調和を奏で、音楽的な展開をみせている。
 今展はそうした作風に至る初期の作品「自画像(1954年)」から現在まで、国展、両洋の眼展、個展などに出品された61点のミニ回顧展形式で企画展示されており、溌剌とした絵具の発色を意識した具象系から抽象傾向に進むにつれて、色彩が安定して固有色の響きを捉えていく流れが窺えた。
 家の庭の四季を観察する眼は何を見ているのだろう。鮎子さんの絵具に緑系は殆ど現れない。しかし、春の絵には新緑の気がちゃんと宿っているのである。そう、気配をそして心象を独自の色彩で置き換えているからだ。色彩と形象の奏でる清々しさは実作に対峙してはじめて伝わってくる。             (松)

 

 

 

ふたつの枝とひとつの実  2002

自画像  1954

柵の中の風景  1963

横たわる人達  1991