セイ・ハシモト 新作絵画展
― パリ、多くの細道―

● 11月11日〜17日
● 伊勢丹新宿店本館5F=アートギャラリー

 

 パリのアトリエと東京で精力的な制作活動を続ける人気作家セイ・ハシモト。本名は橋本清一だが、数多くの個展時はサイン名で知られている。今展には50号油彩を最大に、パステル原画20点、ジクレー(版画)約20点が出品された。
 ハシモトの描くパリは日常のあり
ふれた風景。それは通りの木漏れ日であったり、路地裏に射し込む光の陰影であったり、時には露の垂れる曇りガラスの隙間から覗いた陽に焼ける建物と、誰もが自然に目にする光景だ。そこにハシモトの絵筆が入った瞬間から詩情の世界への展開がはじまる。どの絵にもどこか懐かしい、ノスタルジーに似た情景があるのは、パリで憶えるハシモト自身の郷愁なのかもしれない。
 掲載の絵は、ある日のセーヌ河畔。船着き場であろうか。紫に煙る小雨の路面。歩く二人の背。パステルの質感が光と影を生み出し、静かな時間の流れを作りだす。セイ・ハシモトにとって、この光と影は「すべての思い出」。彼の絵の原動力そのものなのだ。(篠原)

 

 

セーヌ河畔の小雨