第21回日仏現代国際美術展より
―重層なパステル画の趣―
文部科学大臣賞受賞
橋本 清一
パリ、モンマルトルの近くにアトリエを構え、日本の多摩丘陵のアトリエとパリを往復しながらの絵画生活が続いている橋本清一氏。
新作家展では日本の風景やパリ情景を出品し、日仏現代国際美術展ではパリ風景が出品されている。時折油絵の作品もあるが、パステル作品が殆どを占め、毎年開催するパリを描いた個展を待ちわびるファンも多い。掲載は、先日開催された第21回日仏現代国際美術展で文部科学大臣賞を受賞した「古き街取壊し中」。西陽が低く射す日暮れ間近、向う通りのビルにも明かりがチラホラ。一方日陰に沈む対象のビルはくたびれて、ひっそりと往時の名残をかろうじてとどめている。華やかなパリの裏側を愛おしく見つめる作家の視線、そのセンチメンタルな思いをソフトパステルとオイルパステルの微妙な暗色に込めた。ロマンチストであり、何気ない風景を詩的に切取るセンスの良さがこの作家の最大の魅力である。(松)
