セイ・ハシモト 新作絵画展
−パリ、多くの細道−
● 11月21日〜27日
● 伊勢丹新宿店本館5Fアートギャラリー
年間三、四カ月はパリに滞在するという橋本清一。セイ・ハシモトは画家のサインである。パリと多摩丘陵のアトリエで精力的な制作を続け、各地での個展も数多い現代人気作家の一人。毎年恒例の今展もすっかり定着し、展観者が絶えないのもよくわかる。パステル原画約20点、版画(ジクレー)約15点に油彩数点が加わった展観。
ハシモトのパステルの画面は温かい。それも作り上げた温かさではない。パリの路地裏にふと入ったときの光景に佇み、「そっと坐り、お話をするように描かせてもらう」とそこには穏やかな陽があり、影を見つけ、陰も目に入ってくる。ハシモトはその臨場を心と技術でそのまま描きあげる。だからどこか懐かしさも溢れてくる。「パリの裏町の脇道」や「大きな通りの小さなカフェ」が生まれる所以だ。
掲載作は今展中一番の油彩作。ハシモトにとっても随分お気に入りの作だ。冬の夕刻、モンマルトルのアトリエの窓から望んだ西方。建物の間からのぞく風車に柔かな夕陽が架かる。それはまるでハシモトの光へのオマージュ。優しい時の流れに満ちている。(篠原)
