村 山 和 子 展

南米・中東
■11月18日〜23日  ■Gallery 風

 写実はむずかしい。対象に寄りかかり過ぎても、離れ過ぎても成立は難い。しかし徹底的に凝視し、対象を見切ることが出来れば、いかに想像の羽を飛翔させようが、その真髄から離れることはない。あとは描写力である。
 村山の100号から50号を中心にした本格的な個展を見て、右のことを思い、失礼ながらここまで来たか、の感に打たれた。
 滝という自然の景をとらえて〈滝〉だけを描いた。白を意識し、薄い重ね塗りを繰り返した上で絵具の凹凸によるマティエルづくりは、滝のコアをとらえ、一つの景物としながら、説明を省いて複雑な現象のコアをつかんで一つの普遍性を獲得しつつある。
 朱葉展で文部科学大臣賞を受賞した『イグアス幻想』(S100)の後に描いた『イグアスの流れ』(P100)に、より大胆、簡潔さが見られ、この次はどこまで見せてくれるか楽しみだ。    (中)

 

― 凝視力と描写力 ―

「イグアスの流れ」 (P100)