第8回辰 将 成油絵展
辰 将成
■ 3月12日〜17日
■ 伊丹市立美術ギャラリー伊丹
二元会常任運営委員、伊丹市芸術家協会会員の辰将成氏が米寿を迎え、記念の個展を地元伊丹で開催した。
辰氏はこれまでも現場取材を基調とした風景を中心に作品制作をすすめてきたが、的確な描写で二元会の一角を占めており、凄いことにそれは歳を重ねるたびに光と影の捉え方が巧緻になってきている。その答えが今展で明らかになった。氏は名作の模写にもじっくりと取り組んでいて、トランプイユ(だまし絵)的構成で、模写の画中画を楽しんでいる。ここに挙げた「絵のある静物」は押しピンで止められたダ・ヴィンチの聖母(模写)を描き、床壁一体の空間に置かれたグラスからサクランボが舞う。ほか、アングル、フェルメールの画中画もある。「森のなかの湖」は昨年の二元展で複数出品した1点。富山県砺波の取材から、庄川峡であろうか。突如開けた視界には、深々と琥珀の水をたたえた湖が現出する。光を受けて輝く水面と累々の樹木との対比。前景の杉木立が画面を引き締めている。更なる健筆を。 (松)
