西川敬一 展

■平成21年11月17日〜27日
■ちばぎんアートギャラリー
       (東京日本橋)
 

  近代美術協会会員西川敬一の個展。2005年から2009年新作を含めた25号から500号、14点の展観。全作「湧水シリーズ」の抽象画である。
 「生命体の根源である湧水にかける想い」が、近年の西川の仕事に一貫している事実は、今展作を通して充分に見えてくる。抽象にありがちな派手さや極度の露出を一切嫌い、無彩色を主調に画面の奥深くへ絵具を叩き込むが如くのマチエール。絵具を塗り、削り、水ペーパーで磨き込む作業が繰り返されるようだ。″見せるよりも隠す″ことが画家西川の信条。湧水は地下から湧き出る。西川は地表に出た水よりも、限りなく温存せる地底の水の様を描こうとするのである。また掲載の二点にも見られるように、西川の画中には月か太陽が描き出されることが多い。もちろん輝き出づるそれではない。あくまでも主体は湧水にある。しかし自然界にとって光は不可欠。自然の尊厳を人一倍見つめる画家にも、光を描き出すことはこれもまた不可欠なのである。徳島の四国山地中腹が画家の原風景。まさに湧水考だ。    (シノハラ)

 


平安湧水考(2007年 F40)

湧水考 ,X ―2(2009年 M15)