SHIMAKO AOKI EXHIBITION

青木 洲子 展

 

 赤い色面と濃灰色(あるいは黒)、エメラルドグリーンの色面が深いセピアのベース上で交差する、そこに不思議な色相遠近が生まれている。その上を乳白色の薄絹のような色面が、折り重なって上昇し、うねり、落下する。鮮烈な赤の色面が単なる平面ではなく重さを獲得し、コラージュを施された乳白色の薄絹たちは、画面上で柔軟な動きを見せる。見るものの心に直截に浸透しくる爽やかさは、青木さんの作品に共通している色面の切れの良さと動きあるバランスを獲得している由縁といえる。
 だが黒の帯は最後に「これは平面なのだ」と主張する。観者は「奥行きと重力」と「平面性と無重力」のはざまで心地よい混乱に引き込まれていくしかない。もはやこの絵が何のイメージからアプローチしたかなど問題でなくなっていく。今後の展開が楽しみだ。 (松)

 

   ■ 2007年12月3日〜9日   ■ 銀座・月光荘

   

     「赤の情景 2007-08」