青木 洲子 展


●6月16日〜21日
● ギャラリー檜B・C

 

 赤にこだわって制作を続けてきた青木洲子 の、久々の個展。手前のB室に近年(2010〜13)の80号〜50号等6点、奥のC室に新作4点、いずれもS60号にリトグラフ3点。新作では明確な意志のもとに新しい試みがなされた。共に赤へのこだわりは同じだが、旧作では白い羽、あるいは翼の積層を登場させ、ゆるやかな曲線が繰り返された。一方、新作では直線を登場させ、垂直・水平の構成を意図している。
 なぜ、赤なのだろう。赤は心気の闊達さや熱い情念などをイメージさせるが、また心身の痛苦をも連想させる。まさに逆向きのエレメントを抱え込む、それだけ幅を持つ色と言えるが、青木の比較的フラットな赤い面には哀しい思い、いわゆる赤色エレジーを想う。
 赤といえば、黒であり白である。赤い地にこの黒・白のバランスを勘案しながら、時に金箔やブルーを併用し、心象風景にアンジュレイションを喚起し、イメージの深まりを誘っている。
 山梨生。サロン・ブラン美術協会常任委員(中)

 

赤の情景シリーズ�宸V(S60)

赤の情景シリーズ�宸X(S60)