第88回二科展

 

 北の刻   戸狩公久

 

 港に舟がいくつも繋留されている。正面に黒々と舟倉庫が端座し、小波立つ海面 に影を映している。空も海も定かならぬ北国の灰青色に塗り込められ、音もない静けさの中にすべてある。郷愁にも似た抒情がある