前島 隆宇  小品展


 昨年の2月から3月にかけての約一ヶ月間、在住の調布市文化会館に於てここ20年間の画業を回顧する企画展を開催した前島隆宇氏だが、弊紙巻頭に紹介させて頂いた「バロンS氏の椅子」の神秘感が今も思いだされる。
 その後少し体調を崩されたとお聞きしたが、制作意欲は益々高まっているようで、年末の高輪画廊企画の小品展で新たな展開を見せた。椅子シリーズから現在の天景シリーズへと移行したのは11年前、「存在の時空」から「生命の細胞の在り方と宇宙律(秩序)は等質」というミクロとマクロの同次元化を根幹に持つイメージの世界を画面に定着させてきた。これまでの流れを見ると、切り込みを入れた真ん中の水平線からの宇宙の膨張、拡散を思わせる全体像に始まり、その個々に視点を向けた宇宙のカケラ、それから光の発散へと変化している。
 今回はそれに次元の透過性を加味し、虚実の精神空間を構成した。思いが像を結び、また消えゆく。紹介の作品は一種前島氏の自画像とも受け取れる。現在、近代美術協会代表。 (松)

 

   ■ 2003年11月25日〜12月5日  ■高輪画廊(銀座) 

  


  「 天景(光を追う私の中の影)」