2018画集発行記念
乾 繁春
絵画展時のかたち、思うがままに


●11月22日〜26日
●徳島・シビックセンターギャラリー

 

 美術文化協会委員の乾繁春氏が1994年〜2018年まで主要な美術展に出品した作品を纏め上げた画集を出版、その出版記念として地元・徳島でメモリアル展を開催した。テーマは「時のかたち、思うがままに」。氏のテーマへの想いを綴った言葉がある。「地上を離れ上空からの眼下は、色彩豊かな森や川の自然界を魅了する。集落の点は線をさまよい、新たな町を創る。過去の歴史と現在を眺める遊泳である。……私の画風は俯瞰から見る客観的な視点の現代社会の人間模様である。……」と。
 今展には、画集収録作品の中から約50点が展示され盛会となった。初期作品は風景デッサンからの抽象化を指向して、面と色彩の再構築がなされており、人物は殆ど登場しない。それが何かに触発されたように変化するのはミレニアムの年である。が、自分の心を浮遊させて歴史、事件を時を越えて見つめるという、その予兆は97年に試みた一連の「眼下の景」にあった。航空事故で漂う魂、阪神大震災、3・11の思いも鮮烈だ。思考を広げたムーブマンあるセンス良い構成、今後とも期待したい作家である。 (松)

 

3.11 の会話 II S120 号

想起 II  180×210cm